Philosophy

世界の船と、ともにある未来へ

1926年の創業以来、「売り手よし、買い手よし、世界よし」を指針にプロペラに「できること」を追求し続けてきたナカシマ。船のライフサイクルに寄り添いながら、人に、海に、世界の未来に向けて推進性能の最適化に挑み続けます。

Video

ナカシマのスピリット、プロダクト、最新技術などを動画でご紹介します。

  • 推進性能の最適化への取り組み

    ナカシマプロペラは、製品だけでなくメンテナンスや推進効率の向上に取り組んでいます。

  • ゼロエミッションへの挑戦!

    EEDIとEEXI向けのGPXプロペラ、ネイバーダクト、アルティメットラダー、エコキャップの製品紹介と、省エネ機器の最適化をご提案します。

  • 安全運航への挑戦 〜CPP、スラスタの紹介〜

    可変ピッチプロペラ、スラスタ、ポッド推進システムと、モニタリングシステムの研究開発についてご紹介します。

  • NAPACの紹介

    NAPAC(Nakashima Asia Pacific)は東南アジアを拠点に、さまざまな船舶用プロペラの販売を行っています。

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陽のあたらない船底でその一生を送るプロペラが秘めるメッセージに光をあてて、世界の船そして船とともにある世界を未来へと一歩進める岡山発・日本発のかわらばんです。

Voice

ナカシマのスピリット、プロダクトを採用頂いているお客様の声をインタビュー形式でご紹介します。

Philosophy_Voice Vol.1

ナカシマホールディングス代表取締役社長 兼
ナカシマプロペラ代表取締役会長

中島 基善

1926年、祖父は鋳造所を創業、2年後に漁船用プロペラを造り始めた。父は第二次世界大戦後に大形プロペラを手掛け、3人の兄弟とともにナカシマの世界市場におけるシェアを伸ばす。現会長・中島基善氏と経営陣は新工場建設や海外拠点構築に大胆に投資。こうしていまや、同社は名実ともにグローバル企業へと成長している。3世代90年を貫く「ナカシマならでは」とは何なのだろう。基善氏に聞いた。

  • Q1 経営者として大切にしていることは?

    お客様も人、社員も人ですから、人が好きで人に関心があることは、経営者の条件だと思います。私自身、積極的に外に出て、人脈を広げています。すると、人も情報も自然と集まってくるものです。そして、進むときも退くときも、果敢に決断を下し、実行することですね。社内では、何でも言える雰囲気、絶えずチャレンジできて失敗が許される風土づくりを大事にしています。失敗は成長に欠かせないプロセスですから。

  • Q2 創業以来、受け継がれてきたものとは?

    鋳物職人だった祖父が伝えた技と心意気、新し物好きの負けず嫌いだった父がこだわった最先端テクノロジー、そして2人に共通する「現状に満足しない」精神、これらを受け継いではじめて、ナカシマの「ものづくり」があります。ナカシマでは、インハウスの高度な設計技術を支えるコンピューターの導入・アップグレードに積極的に投資しており、その性能は業界屈指です。ただ、設計図があれば、誰が作ってもロケットが月にたどり着くわけではない。プロペラも、優れた設計図が忠実に再現されてはじめて本来の力を発揮します。ナカシマは、最新鋭機器による加工技術と繊細な職人芸が融合した最強の製造力で、これを実現しています。こうした「ナカシマならでは」を、これからも大事にしていきます。

  • Q3 一品受注生産にこだわる理由は?

    実は、世界の多くのメーカーが、造型作業を標準化してシリーズ建造船のプロペラを受注し、生産を効率化する体制をとるようになっており、多種多様な一品受注に対応できるところは少なくなっています。しかし、船の用途ごとに積み荷や装備が違い、港ごとに水深が違い、航路ごとに気候が違う。船速や燃費だけでなく、環境負荷もますます重視されていく今後、一隻一隻に最適なプロペラを設計・製造できる力はこれまでよりも貴重なものになっていくと考えています。

  • Q4 創業100周年に向け、ナカシマの今後は?

    いまナカシマは、プロペラという「もの」を納めるだけでなく、推進性能の最適化のスペシャリストとして、船の一生に寄り添う企業へと進化しつつあります。目指すのは、世界中の船主さんはじめお客様にとって最も信頼できるパートナー。そして、世界で断トツの存在感を持つ会社になっていること。そのための改革に取り組んでいる若い世代に期待しています。

Philosophy_Voice Vol.2

ナカシマプロペラ エンジニアリング本部 リサーチフェロー

星野 徹二

1974年に三菱重工業に入社、プロペラ及びキャビテーションの研究に携わった後、韓国滞在を経て現在はナカシマプロペラの推進性能をバックアップしている星野氏。数多くの舞台でプロペラの研究開発をとことん突き詰めてきた彼が、今後のナカシマに期待することとは。さらに、航空工学から研究人生を出発させた氏の空をまたぐユニークな趣味にも迫った。

  • Q1 新卒で三菱に入社されてから、当初は何をお仕事にされていたのですか。

    研究職で入社したのですが、当時は丁度プロペラキャビテーションにより誘起される船尾変動圧力による騒音や船体振動の問題が注目され始めたころで、私の入社後初めての研究はプロペラキャビテーションにより誘起される船尾変動圧力に関するものでした。結局、これが私の博士論文のテーマとなり、「キャビテーションを発生しているプロペラによる変動圧力の推定法」で工学博士を授与されました。また、プロペラ理論にも興味があり、国内外の色々なプロペラ理論の論文を読み漁っていました。幸いなことに、三菱重工には航空機部門があり、航空機に関する世界中の最新の論文が自分のもとにも回覧されてきており、それらを頻繁に読んでおりました。基本的にプロペラの翼理論は航空機の翼理論と同じですので、それらの論文の中には船のプロペラにも応用できる内容が多数含まれていました。その中でQuasi-Continuous Metho(QCM)と呼ばれる優れた翼理論が目に留まり、プロペラに応用できるのではないかと考え、QCMを用いたプロペラ理論の開発を行いました。この理論を用いて自社船のプロペラ設計や性能推定に取り組みました。このQCMを用いたプロペラ理論は、現在でも国の内外の多くの研究所等で使われております。

  • Q2 その後韓国へ渡航されましたが、韓国での仕事はいかがでしたか?

    当時の韓国の造船業界は大盛況で、勤務先の研究所にも沢山の大学卒業間もない若手研究者が働いていました。仕事の第一は、これらの若手研究者の指導育成でした。また、当時の日本では建造していなかった10,000TEUを超える超大型のコンテナ船や2軸の超大型LNG船のプロペラ開発等の案件にも携わることができ、やりがいを感じましたね。

  • Q3 帰国後、ナカシマに入社された経緯は?

    そもそも韓国に出発する以前から、知人を介してナカシマの役員さんから「退職後はうちに来ないか」とオファーをいただいていました。当時は海外での勤務に対する思いが強く、お断りしたのですが、8年後に私が帰国したことを聞きつけたその方が改めて私にお声掛けくださり、そこで入社を決めました。

  • Q4 ナカシマプロペラの強みはどこにあるとお考えですか?

    まず、優秀な人員が豊富なところです。様々な船会社を相手に多種多様な推進器を設計製造してきた分、お一人お一人が貴重なノウハウと経験を得られていると思います。女性のかたが積極的に活躍されているところも良いと思います。また、コンピューター解析のレベルが非常に高いところも強みだと考えています。自社で実験用の水槽を持たずとも高性能なCFDでシミュレーションができ、実海域での性能を担保できる会社はなかなか無いと思います。

  • Q5 今後のナカシマプロペラに期待することは?

    ナカシマプロペラは日本の舶用大型推進機器業界の最後の砦だと思っています。またプロペラはこの先も最も効率の良い舶用推進器として存在し続けるでしょうから、今後もプロペラメーカーとしての火を消さず、生き残ってほしいですね。それと、人手不足なども近年の社会課題になっていますから、自動化など、革新的な取り組みにも積極的に挑戦していってほしいものです。

  • Q6 若手社員に伝えたい教訓はありますか?

    例えば目の前に何か便利なツールやプログラムがあったとして、それが100%正しいと鵜呑みにしないこと。それらはすべて、一定の前提条件があるから成立するのであって、そこを逸脱するととたんに機能しなくなるものです。ぜひ「どのような仕組みでできているのか」を良く考えて判断してください。開発過程から携われば、その仕組みを根本から理解して使いこなせるし、既存のものよりさらに良い仕組みを思いつくことができるかもしれません。

  • Q7 ご趣味は何ですか?

    ラジコン飛行機を組み立て、操縦することです。学生時代からクラブ活動で組み立てや操縦をしていましたし、今でも天気が良ければほぼ毎週末長崎の飛行場に足を運び、各地から集まった飛行機仲間とラジコン飛行機を飛ばしています。昔はエンジンを積んだものが主流でしたが、最近では環境負荷低減に向けた動きもあって、モーターと電池で動く電動飛行機が主流になってきましたね。船や車が水面や地面を二次元運動するのに対し、飛行機は前後左右上下と自在に移動する三次元運動です。そのぶん操縦もかなり難しく、かつそこに一番の面白さがあると感じています。